ようやく熊本県も梅雨入りし、僕ら屋根屋は思うように仕事が出来ない過酷な時期に入りました💦
この時期は雨漏りの問い合わせも増え、修理工事をご依頼いただくお客様も多くなりますが、天気との戦いでなかなか仕事が消化できず、お待たせしてしまうこともあります。仕方のないことですが申し訳ないです。
皆さんのお住まいは雨漏りしていませんか?
さてさて、今回の施工事例では弊社ではなかなか珍しいお仕事をさせていただきましたのでご紹介していきます!
宇城市にある某お寺様の山門(入り口にある門)の屋根葺き替え工事が無事に終わり、檀家様より写真使用の許可をいただきましたので写真を交え紹介していきます
最初にお問い合わせいただいたのは熊本地震の後でした
熊本地震の際被災した屋根瓦は棟瓦が崩れていたり、桟瓦が大きくズレていたり、数ヶ所瓦が落ちていたりと被害は大きく、瓦の葺き替えをしたいとの問い合わせでした
お寺の屋根は一般の住宅の屋根と違って、高いとこに向かうほど急な勾配に反っている形状になっており、1枚1枚瓦を削ったり、反りに合わせて角度を調整しながら葺いていかなければならなかったりで、とても難しい工事で経験の少ない職人では出来ない工事です。
そのような工事ですので、工事期間も工事費用も一般住宅とは全然違う工事単価となります
お見積もりをお渡ししてからかなりの期間があり、他の瓦屋さんに頼んだんだろうと思って忘れていましたが、約6年ぶりくらいに住職から電話があり「工事をしたい」という連絡がありました。話を聞くと,その後病気を患いそれどころではなかったとのことでした。
久しぶりに現場を調査しにいくと、6年も被災したままの状態で放置されていた状態で、下地の板は腐れて剥がれ落ちてたり、水が当たる部分の木部はかなり腐食が進行していました😅
垂木が何ヶ所も腐っている状態になっていたので、下地垂木から全ての野地板を交換する必要がありました
6年前に工事をしておけば必要なかった追加工事となりましたし、昨今の様々な値上げはもちろん材木や瓦材料代に影響していますで、前回見積もり時よりもかなり大きく工事見積もり金額が上がってしまいました。
お寺さんの方でも数社で相見積もりを取っていたようですが、弊社の見積もりが一番安かったようで(高いところは200万くらいの差があったらしい)、6年越しに正式にご発注をいただきました😆
脱線しますが、今回の工事から足場幕を新調しました^^
いい感じでしょ!?笑
前置きが長くなりましたが、工事の紹介に参ります!
今回下地交換では反った垂木を交換する必要があり、宮大工さんしか出来ない内容でしたので、八女から宮大工さんに来ていただきました
なんとも美しい反りっぷり!
解体した垂木を工場に持って帰り、同じ角度に加工して反らせた材料を現場に持ってくるという流れらしいです
腐食が激しかった破風板は部分的にカットし張り替え
掛け瓦下地部分は重要なところですので、しっかり大工さんと打ち合わせをして作成してもらいました
下地交換完了後ルーフィングを貼っていきます
いよいよ瓦施工開始!!
軒瓦は3点止め固定
桟瓦荒葺き状況、桟瓦も全数ビス止め固定です
棟部分に金具が取り付けてありますが、強力棟湿式工法にて施工していきます
掛け瓦も3点ビス固定していきます
ある意味この部分の仕上げが一番力を入れるとこです!
美しく見えるよう破風板と瓦の隙間が全て均等になるよう取り付けます。反りがある為割り付けが出来ない部分なので、1列取り付けるのに1日かかるほどの神経を使って施工しました!!
風切り、下り棟を積んでいきます。
のし瓦・丸瓦は壊れないように全てステン線にて緊結固定してます
反り屋根ですので調整しながら積んでいきますが、ここは数人でやっていくと職人の感覚の部分で仕上がりがバラバラになる可能性があるので、この部分は時間がかかりましたが僕1人で仕上げました
今回本棟は7段積みですので、強力棟の芯木は45x100というかなりデカめの木材を使用しました
熊本地震クラスが来ても耐えれる強度を考えて施工しました
全てののし瓦をステン線緊結するため、先にステン線を固定しておきました
最終段は亀伏間という棟瓦にて仕上げました
檀家さんの希望で鬼瓦・巴・三日月は既存のもの再利用
見てください!この反りの美しさ、何時間眺めてても飽きません笑
天気の悪い日もあったので約1ヶ月ほど工期がかかりましたが、無事に完成・引き渡しすることができました^^
住職様、檀家様、共に綺麗になったとお喜びをいただき、こちらとしても嬉しい限りです!
ここまでの手のかかる工事は今ではあまりありませんので、とても楽しく仕事をすることが出来ました!!
ありがとうございました😆